PL保険は引き渡し後、何年間補償が有効でしょうか?
「引渡し後、○年までの事故を対象とします。」
というように保険商品によっては、補償に年数制限を
かけている場合があります。
これは専門家でないと、なかなか気づくことが出来ない盲点です。
短い場合だと、2年限度としているものもあれば、
10年限度としているものもあります。
約款を読み解くと、下記のように記載されています。
「被保険者が行った工事の結果によって、工事の対象物の引渡し後10年以内に
生じた偶然な事故に起因し、他人に人身障害または財物の損壊(滅失、破損
もしくは汚損をいいます。)を与え、法律上の損害賠償責任を負うことにより
被る損害に対して賠償保険金をお支払いします。」
従来、各保険会社から発売されていた格安のセット商品
にこの年数制限が設定されていたことが多く、こういった
細かい設定で、支払い損害額を減らすことで、保険料を
安くし、競争力へ変えていたようです。
ただし、やはりトラブルの原因となったのか、
ここ近年はこのような年数制限をかけた商品が
見られなくなってきました。
そもそもメジャーなのは限度年数が設定されていない
ほうのPL保険です。
その場合、工事引き渡し後、かなりの期間が経過していても、
施工ミスが原因で発生した対人対物賠償であれば、対象となります。
ただし、消耗・劣化・経年変化など、損害の発生原因が
「施工ミスによる事故」でなければ対象外となります。
経年劣化なのか施工上のミスなのかの判断は、
判断が難しいところですので、専門家に介入してもらうのが
おすすめです。
弊社で事故処理を行う場合、専門の鑑定人へ委託して損害鑑定を
行うのが一般的です。