単発工事保険について
1. 単発工事保険とは?
単発工事保険は、特定の工事や作業のためだけにオーダーメイドする
保険です。
建設業や解体業などでの短期工事では、長期契約の保険が不要と感
じられる場合もあります。
工事に必要な期間だけ補償を提供するのが「単発工事保険」です。
特に、限られた期間やリスクがある工事に適しており、柔軟にリスク
管理ができる点が特徴ですが、引受保険会社からすると、年間契約に
比べ、リスクの高い工事を引き受ける可能性が高まり、
積極的な保険引受はしていません。
弊社でも既存取引がない方からの依頼の場合、
・現場住所
・請負内容
・請負金額(最低500万円超)
・施工方法
等を告知いただき引受審査を行います。
年間包括契約と比べ、料率自体割高となり、補償範囲も限定されます
ので、年間売上高が高額でない場合は、年間包括契約のほうが、
コストパフォーマンスが高くなります。
2. 単発工事保険の概要
原則、単発工事保険で引受け可能なもの契約種類
-
1.請負業者賠償責任保険
請負業者建設賠償責任保険は、工事や作業の過程で発生する対人対物賠償を補償する保険です。
引き渡し後に発生した事故(PL・生産物賠償責任保険)は対象外となります。
・塗装工事中に塗料が飛散し、駐車中の車両を汚損した。
・解体作業中にユンボで隣家の壁を壊した。
・掘削作業中に埋設管を破壊した。
・リフォーム作業中に、脚立を倒し、施主車両を傷つけた。 - 2.建設工事保険
新築を請け負った場合の新築物件自体、仕入れ資材等、工事目的物の補償。
・建築中物件が放火により全焼した。
・建築中物件に保管されていた銅線が盗難された。
・台風により建築中物件の屋根が飛ばされた。
・仕入れたシステムキッチンを搬入中、落下させ破損させた。
単発工事保険で引き受け可能な補償は年間包括契約に比べ、限定的なカバーとなります。
3. 単発工事保険の選び方・注意点
単発工事保険を選ぶ際には、以下の点に注意することが重要です。
- 引受保険会社の選定:既存取引がない場合、引受が難しいため、すでに取引のある保険会社へ相談する。
- 特約の吟味:管理財物損壊補償等、事故が多発する分野が免責になっていることがあります。。
- 免責の吟味:請負金額が低い場合、影響が少なくなりますが、請負金額が大きい場合、高額免責によりコストを抑えることができます。
- 契約までの必要期間:工事保険に不慣れな保険代理店の場合、補償開始までに時間を要することが有ります。
- 事故の際の対応:工期に追われている現場の場合、写真を取らずに原状回復をしてしまうことがあります。
このような利点を考慮して、単発工事保険は特に当面のプロジェクトに最適です。
4. 単発工事保険の事例
単発工事保険は、さまざまな工事現場や短期プロジェクトに利用されており、以下のようなケースで役立っています。
- 解体作業:建物・工場・プラント施設の解体工事。
- 住宅リフォームや内装工事:リフォーム作業中の事故。
- イベント設営や撤去作業:イベント会場の設営・撤去。
5. まとめ:単発工事保険は必要か?
単発工事保険は、短期のプロジェクトに適したリスク管理の手段として非常に有効ですが、引き渡し後の事故が対象にならないなど、補償の面で不安が残ります。 また、年間包括契約にくらべ料率が高いため、年間売上高が高額でない場合は、年間包括契約のほうがコストパフォーマンスがいいことがあります。 短期契約だから得というわけではないので、相見積もりを含めよく検討されることをお勧めします。
